徒然草

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寝台急行「天の川」殺人事件・・

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寝台急行「天の川」殺人事件




西村京太郎 著

文春文庫   2018年6月10日 新装版第一刷


伝説の夜行列車が蘇る・・
ルポライターはなぜ殺されたのか?





十津川の妻、直子は家の近くをジョギングする。
すると自然と仲間ができるものである。
堀切ゆき子や、ルポライターの矢代利明である。別に待ち合わせてのジョギングではないが、
走り出すと自然と二人と出会う毎日である。
そんなある日、ゆき子と出会い走っていたが、いつも合流する矢代が現れない。
不審には思ったが、そのまま走り続けた。
その時である。
「人が死んでるぞ!」という声が。犬が吠える林に入っていくと、
なんと、矢代が死んでいた・・パラチオンと言う農薬を飲まされたのが死因らしかった。
十津川班がその捜査をしている中、今度は矢代の恋人の加藤由紀が車のひき逃げに合い、重傷を負った。

十津川班が調べていく中で、矢代は少し前の年末、「寝台急行天の川」に乗り、
乗車ルポをしていることが分かった。
彼の部屋からも編集部からも見つからなかった原稿が、喫茶店のテーブルの下から見つかり、
十津川はそのルポを読み進めていく。
今回の事件と何らかのつながりがあるように思えたからだ。

さらに、横浜で、壊された住居の床下から、女性と思われる白骨が見つかる。
この三つの事件と謎は、殺されたルポライター矢代の 寝台特急「天の川」乗車ルポにある、と
確信した十津川は 班の部下たちとその渦中に身を置いていく・・
やがて・・数人の怪しい人物が浮かんでくる・・・


かつて、上野~秋田間を結んでいた、いまは無き寝台急行「天の川」に思いを込めた作品。
ルポライターの矢代、そして恋人だった由紀は、何かを見たのか?
乗車ルポに何が隠されているのか。
十津川班はその謎を解明できるのか・・

本編の中に、矢代が書いた「天の川」の乗車ルポが出てきます。
このルポに重要な「カギ」が隠されていました・・
寝台急行の懐かしい様子も垣間見られます。
時代の波に押され、次々姿を消す寝台列車。惜別の念もありますね。





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