徒然草

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十津川警部「故郷」・・

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十津川警部「故郷」
   徳間文庫

  西村京太郎 著  2018年12月15日初版
          (2004年祥伝社より刊行)


中野駅近くにあるマンションの一室で若い女の刺殺体が発見された。
六本木のクラブのホステスである。
さらに、このマンションから歩いて15分ほどの小さな有料駐車場の奥の車の中で、
若い男が血まみれで死んでいるのも見つかる。
サバイバルナイフが落ちていて、捜査員たちは、この男がホステスを刺殺し、
自分も自殺したのではないか・・と考えた。

しかし、捜査した刑事たちが困惑したのは、死んでいたその男は、警視庁捜査一課、十津川班の刑事、
片山明であったからである。
驚愕した十津川班のメンバーらと、十津川、亀井刑事たち。
コンビを組んでいた田中刑事などは、「片山がホステスを殺すはずがありません!」と、頑として言い放つ。
それは十津川とて、亀井とて同じである。
そして十津川班は片山刑事が殺されたのかもしれないと考えて、捜査に乗り出す。

片山の無理心中という説が有力な中、十津川警部は捜査する中で、
片山の故郷、福井の小浜に何かあると睨み、福井県小浜市に飛んだ。
そこでは片山の学生時代に仲間5~6人と同人雑誌を作っていたことが判明。
さらに、片山の妹、みどりにも会って、話を聞く。
みどりは兄から送られてきた様々な「品」を大切に持っていて、
「兄は、絶対に無くさないように・・と、言っていました、大切なものだと」と、
十津川に告げた。

やがて、一年前の殺人事件が浮かび上がり、その容疑者に、片山の入っていた同人誌仲間が
容疑者となっていたことを突き止める。
容疑者にはアリバイがあって、いま、その事件は迷宮入りとなっていた。
同人誌仲間の「マドンナ」に、恋していたであろう片山と、その仲間の殺人容疑。
その中でさぞ揺れ動いたであろう片山を、十津川たちは思う・・



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部下の片山刑事を信じ、亀井たちと事件の真実を丁寧に探す十津川警部
苦難の道のりを 一つずつ解明していく、彼である。

福井県小浜市が、旅情豊かに描かれています。
事件が終わった時、十津川と亀井の心の中に、片山が幼い時を生きた
小浜の街が、どう映っていたのだろうか・・・



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