徒然草

つれづれにさまざま書いています。

十津川警部シリーズ・三冊・・

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北の欲望南の殺意 
   2018年8月15日初版第一刷発行

 十津川の部下で三田村は通勤電車の中で、一人の女性が何となく気にかかっている。
その彼女の目は、車内のどこを見ているでもなく、また、窓の外の景色を見ているでもなく、
只々、じーっと「何か」を見ているのである。
そんなある日、混みあう電車の中で事件が起こった。カッターナイフを持った男が暴れ、
じ・・っと座っている彼女に襲い掛かったのである。
しかし、あろうことか、彼女は車内で今、起こっている自分に向けられた刃物の
事など、見えていないかのように、じっと椅子に座ったままである。
三田村はとっさに犯人を取り押さえた・・
その彼女がある殺人事件の被害者となって、横たわっていた・・
三田村は、あの電車車内の彼女の様子を思い出し、その「何か」を突き止めようとする・・

短編・4つ収録。


十津川警部「吉備古代の呪い」
  平成30年9月1日発行

 古代吉備の歴史を研究する岡山県郷土史家・吉野が東京のホテルで殺害された。
桃太郎伝説」を題材にした彼の小説が発見され、十津川は、この小説が事件の鍵になる・・と踏み
それを読み進めていく。
更に、その伝説の地、吉備を訪ね、事件を追っていく。
古代史ロマン香る、吉備や、さまざまな人間関係が次々と現れ、また、新たな殺人も起こっていく・・
「小説in小説」が、おもしろい。



十津川警部 絹の遺産と上信電鉄
  平成30年9月20日第一刷発行

 十津川班の一人、「西本刑事」
彼が、世界遺産群馬県富岡製糸場内で、毒殺されるという、衝撃的な事件が起きた。
十津川警部はもちろん、部下の亀井刑事や北条刑事、一緒に組んでいた日下刑事、その他のメンバーの
深い悲しみの中、十津川班は、富岡製糸場に、「何か」がある・・と睨む。
西本刑事は今まで、有給なども取ったことがないにもかかわらず、急に2日間の有給を取っていて、
富岡製糸場付近に出向いたとみられた。
調べていくうちに、彼が、学生時代から愛した女性がいた事を突き止める。
そして、西本の最後の言葉「それ、何なんだ?」の意味を追い求めていく中で
上信電鉄のある駅名が浮かび上がった。
悲しみを乗り越え、十津川班は、西本刑事の殺された謎に迫って行く・・




西村京太郎氏の最近の推理小説、3冊、買い求めました。
「絹の遺産と上信電鉄」の帯の「西本刑事世界遺産に死す」に、衝撃を受けまして。
十津川警部シリーズの最初から班の一員として、活躍してきた彼。
テレビシリーズでは、亀井刑事に続く名刑事として描かれていますから、
大変ショックです。
いま、なぜ、西本刑事は死ななくてはならなかったのか・・
死なせなくてはならなかったのか・・作者に聞いてみたいような気もしますね。

とにもかくにも、三冊はやはり面白くて、あっという間に読みました。
次回作にも期待をしています。


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