徒然草

つれづれにさまざま書いています。

「さよなら 滝平二郎」展・・

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「さよなら 滝平二郎・・・・」
     茨城県近代美術館にて
 
 
 
滝平(たきだいら)二郎氏
我が郷土出身の方なんです。
「きりえ」版画」作家・・です~~
 
名前をご存じない方でも 絵本の挿絵に
きっと記憶があるのではないでしょうか。
素朴な日常を描いた数々のきりえ
抒情をかき立てるものがあり、
やさしい気持ちになれます。
 
 
滝平二郎・・・
大正10年(1921年)小美玉市に生まれました。旧 新治郡玉里村です。
霞ヶ浦の見える村に育ちました。
県立石岡農学校(現 県立石岡第一高等学校)在学中は風刺漫画に関心を寄せていましたが、卒業後、木版画へと向かいました。
 
陸軍少尉として沖縄で終戦を迎え、造形版画協会第6回展に初出品、
東京に移り住み 装幀・版画・きりえ・・などの仕事を始めました。
絵本の挿し絵や 四季折々の情景を描いた「きりえ」で、多くの人々に親しまれました。
彼の数多くの木版画、きりえ・・などなど、見てきました。
 
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こちらは絵本です。
どちらも有名なお話しです~~
この表紙の絵や絵本の中全体が「きりえ」になっています。
彼自身は「切り絵」と呼ばずに、独特の絵を「きりえ」と称したそうです。
とても繊細でとてもきれいで、優しい表情の「きりえ」の中の人物たち。
 
ふるさと、玉里村霞ヶ浦を望む風景は、とても懐かしい情景で・・
彼がいかに故郷を愛していたか…がよく分かります。
その優しい風景に、私は昔々、幼かった弟と夢中になって遊んだことが思い出されて、
思わず涙ぐみました・・・
 
彼は優しいお姉さんがほしかった…と言っております。
たくさんのきりえは姉と弟二人…が非常に多く、彼の姉に対する憧れ的なものが
深く感じられました。
もしよかったら、「花さき山」を読んでくださいね。
 
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「花さき山」
ものがたり・・斎藤 隆介 著
 
10歳のあやは 祭りで使う山菜を取りに
山深くはいってきました。
そこで出会った一人の老婆、「やまんば・・と呼ぶ者もいるが・・」驚くあやに語ります。
 
道に迷って奥におくに・・と来てしまったあや、その老婆の足元いっぱいに咲き誇るのは赤やきいろや・・・色とりどりのた~~くさんの花はなはな・・・
「なんでこんなきれいは花が・・・」
幼いあやはびっくりします。
 
「この花はな、ふもとの人間が優しいことを一つすると・・一つ咲く・・・そんな花だ」
「あや、お前の足元に咲く赤い花、それはな、お前がきのう咲かせた花だ・・
きのう、お前は妹にしてやったべ?その優しい心が、この花を咲かせた・・」
 
あやは老婆の言う「やさしいきもち」が このきれいな花たちを咲かせている・・
事に驚きながら、家にたどり着き、おとうや おかあに言ったけれど、
信じてもらえなかった・・
そうしてまたその山の奥に行って見たけれど、花も、老婆も・・見つからなかった・・
 
でもあやは・・その後、自分が「やさしいこと」をした時、
「あ・・・あそこに私のお花が咲いた…」と、思います・・
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お話もとても優しいお話しです。
なんか自分も「やさしい事・・しよう」って思うような気持になります。
この絵本の中は二郎の「きりえ」でいっぱいです。
恐ろしい老婆のすがた・・
あやのかわいい様子、そして足元に咲くたくさんのきれいな花はな・・
一冊の絵本が愛されてきたことがよく分かります。
 
 
 
近代美術館偕楽園下、仙波湖畔にあります。
お散歩しながら美術館に寄るのもいいですね。
美術館横の「メタセコイア」の大きな木々は、初冬のこの日、
ほとんどの葉っぱを落としていました。
真っ青の空に 残りの金色の葉っぱが輝いていました。
足元には細い葉っぱが敷き詰められていました。
 
 
とても穏やかな、優しい時間を過ごすことが出来ました・・
 
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