青面金剛象を配した掛け軸・お庚申さまです。
古くから農村地域などでお祀りした神さま。
我が地域では、「農業の神様」とされ、一年の終わりの11月か12月の「庚申(かのえさる」の日に 年番のお家で農業で取れたものでご馳走を作り、夜みなが集まって、掛け軸の神様をお祀りし、ご馳走を差し上げ、お線香をたいてお祝いする・・というもの。
年内いっぱい、無事に農業の方も収穫して終わったことを喜び、これも、お庚申さまのおかげです・・という事ですね。
これは地方によってお祀りややり方など等は違うようですが、我が地域ではおおむねそのようにしてきました。
※ 今年の11月「庚申(かのえさる)の日」我が家でお祀りしました。
お庚申さまをみんなでやっていた当時を思い起こし、農業でとれる品で、作りました。
我が地区も若い方が増えてきて、「やりたくない」と言われ、どうにかこの「青面金剛像のお庚申さま」を引き取って頂けるところが無いか・・と、我が家に託されまして。
「困った・・」と、悩んでいましたが、「茨城県一本桜番付」でいろいろな方と面識のある長男が、「我が小美玉市の文化財として、引き取ってくれるらしい」と、聞いてきまして。
お寺を探してそこでお焚き上げしてもらうほかない・・・と主人ともども、思っていましたが、「古いものなんだし、文化財になるのでは」との長男の言葉に、目から鱗でした。
先日、文化財を扱っている方に長男と共にお会いして、快く引き受けて頂きました。
「小美玉市でも、やめてしまうところが多くて、結構預かっています」と。
「本当に貴重な品なんですよ。お焚き上げも、それはそれで仏は満足でしょうが、とても貴重なもので勿体ない」
「今後は、市で保管し、また、機会がある時に展示などもしていきたいですね」と。
持っていた掛け軸ですが、「おおよそ、200年前のもの」だそうです。
でも、「青面金剛像が色があせていないのと、軸も補修をかけたのではないか」とも聞きました。
ずっと我が地区を護って頂いたお庚申さま。
やっと安住の地を見つけられてよかった・・と思います。
仏ですから、安らかに過ごしてほしいと願うばかりです。
引き取って頂き、本当にホッといたしました。
ありがとうございました。(#^.^#)
5年前 お庚申さまがやって来た時の様子。
昔からずっと、組内の面々が集まって、料理を作り、夜は旦那衆や子供たちも共に、お祝いをしたものです。とても賑やかで お庚申さまも一緒に酒を飲んだりしたことでしょう。
時代は変わってきて、AIやコンピュータ、スマートフォンや、宇宙まで旅行に行ける時代にとって代わって、どういった神様仏さまか分からない・・と言われるのも分かる気もします。
明治・大正・昭和・・神さま仏さまは身近にいたのでしょう。
それも・・・遠くになってしまった・・そんな感じです。
※ 納めさせていただいた、小美玉生涯学習センター「コスモス」