旗桜と、旌桜寺跡・・
旌桜寺(せいおうじ)・・
常陸太田市瑞龍町2168
その昔、源頼義・義家親子が、奥州討伐の帰り道、立ち寄り、持っていた旗竿を地面に刺したとされます。
その旗竿の根が根付き 「旗桜」となった。
見事な桜の花を咲かせたと言われ、5弁の花びらの真ん中に、まるで旗のように花びらが立ち上がった
花があります。全部の花がそうではなく、なかなか見つけられませんが、
見ていくと、きっと見つかります。それで、「旗桜」と呼ばれ、大変貴重な桜なのです。
その旌桜寺跡地と、旗桜の根元一体に、真っ赤な彼岸花が咲く・・と聞き、長男が連れて行ってくれました。
シーンと静まった境内に 雄々しく立つ旗桜、真っ赤な彼岸花は、真っ盛りでした。
いにしえの遠い昔を想うにつれ、奥州征伐から帰ってきた騎馬武者たちの姿が、
瞼の向こうに浮かびます・・
旗桜と彼岸花・・
旗桜のほかにも、数本の桜の古木があります。
どっしりと根を張って、雄々しく生きている桜たちの向こうに、一面の白い花。常陸秋そばの花。
清楚なその花と、真っ赤な彼岸花は
幾星霜生きてきた桜たちの、「慰めの花」だと・・
長い時間を過ごしてきた彼らにとっては、
一瞬の秋かもしれません・・でも、美しいものを見て、来年また花を咲かせ、「私たちもきれいでしょう・・」と誇らしげに微笑むのですね。
雄々しい桜たちは、まだまだ緑の葉っぱをたくさんつけていました。
やがて、葉を一枚一枚落とし、冬の間に春の桜の花を咲かせることを夢見て過ごすのでしょう・・
いまは、真っ赤な彼岸花をやさしく見守っていることと、そう感じました・・
旌桜寺跡の旗桜
撮影日・・2018年09月24日