徒然草

つれづれにさまざま書いています。

恩師からのお手紙・・

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先日、恩師からお手紙が届きました。
私の小学校時代の恩師からです。
とても達筆な あのころを思い出される先生のお手紙です・・

台所でラジオを聴いていた私、とても懐かしい曲が流れ、思わず手を止めました。それは・・
「あざみの歌」でした。
終戦後流行った曲です。伊藤久男さんが歌いました。この曲に思い入れがあるからです。

小学校5・6年と「F先生」に教わりました。
結婚したてでとても活気のある若い男の先生です。
何事もはきはきとし、学童からとても慕われ、「F先生のクラスになりたい」と
みんなが言ってるような先生でした。
さいころ私は「ひっこみじあん」でおとなしく(笑)みんなの陰に隠れるようでした。
でも先生は「個人個人いい所は持っている」といって、ひいきのない目で見てくれました。

一番覚えているのは 梅雨時などのどんより・・とした5時間目、
「みんな!教科書仕舞え。いまから先生がお話をするぞ」と言って、始まる「お話」タイム。
たいてい怖いお話です。
外はどーんより、今にも雷が襲ってきそうな午後。
お化けのお話しは鬼気迫るものがあります。

手振り身振りで話すうち、佳境に入ってきます。
みんな、シーーーン・・・として固唾を呑み、目を大きく開き、次は何が出てくるか、と、ドキドキな一瞬・・・
「だ・だあああーーーーーーーーんっっ!!!」これ、先生がはいていた上靴で教卓を思いっきり叩く音!
「ぎゃああーーーー!!!・・・・」
・・・って、みんな、椅子から15センチも飛び上がるほど驚くんです・・・(笑・・)

結局、いつもそうなるのに、いつも「ぎゃああ!!」が起きます。(笑・・・)

ある男の子が学校の裏山に逃げた事がありましたっけ。(笑・・)
「みんな、先生は探しに行ってくるから、勉強しとけよ」と山へその子を探しに行っちゃった事も。

きのこ狩りも行きました。お茶摘みもしました。ほんとうに楽しかった小学時代。

卒業式の後、先生は
「みんないい子だった。今まで出一番いい子だったよ。先生は忘れないぞ。」
と言って、おいおいおいおい・・・と泣きました。
私もお友達もなんでこんなに悲しいんだ・・・っておいおい、おいおい・・と泣きました。
「がんばれ!」と抱きしめてくれた先生。
その先生の大好きな歌が「あざみの歌」でした。



一ヶ月悩みに悩んで、思い切って・・先生宅にお電話しました。
ご健在なのか、ご病気なのか・・もしかして・・とも思いながら。

「はいっ!私、本人ですよ」・・・・って。
お元気そうなはっきりしたお声が聞こえて、私はと言うと、心臓が口から飛び出そうでしたあ。(笑)

「60歳で学校は卒業して、それから民生委員になって、と請われて、いま、75歳になります」
「うわあ~~~そうですか、よーく覚えていますよー。あの三人娘のおとなしい子だったね!」
「ばあばになったんですか!幸せな人生を歩んできたんですね~~」

受話器を置いたとき、涙が出ました。
先生とお話していた時間って、あのころに戻っていたんですもの。

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そして、私が出した手紙に、すぐにお返事を頂きました。
達筆な文字です。75歳・・まだまだお若い先生のお手紙です。
その内容を読み、またまた涙がどっと出ました。
「誰もがばあばになれるとは限りません。XXさんはとても幸せなんです」
「お舅さんお姑さん、子供たち、そしてご主人。ほんとうに私はうれしい・・」

このお手紙は私の一生の「宝」になりました。
思い切ってお電話してほんとうによかった。
もう、50年も昔の小学校時代、今でも時折あの頃のことを思い出す私。
きっとあの頃、幸せな子供だったのでしょう。

F先生はずーーっと私の先生なんですね。
お元気なはつらつとした声は昔のまま。
私の恩師からのお手紙のお話でした・・・

http://www.youtube.com/watch?v=K9d-6qMIuCs&feature=related
       あざみの歌 伊藤久男氏 歌

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