徒然草

つれづれにさまざま書いています。

起終点駅 ターミナル・・

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起終点駅 ターミナル




監督・篠原哲雄
原作・桜木紫乃「起終点駅 ターミナル」





北海道旭川で裁判官として働く鷲田完治。
その裁判に学生時代恋人だった結城冴子が被告人として出廷。
彼女に執行猶予が与えられ、裁判後、その冴子と秘密裏に逢瀬を重ねる。
「一緒に暮らそう」そう言った完治の目の前で彼女は命を絶ってしまう・・

完治は東京で暮らす妻と息子と離縁し、裁判官を捨てて弁護士となり、釧路に小さな自宅兼事務所を構えるが、
国選弁護士としてしか働かなくなっていた。あれから25年がたった・・
ひっそりと、息を殺したかのように暮らす完治。
そんなある日、彼が受け持った国選弁護の仕事で、一人の年若い女性と出逢う・・

愛した女性の、目の前での衝撃的な「死」を引きずり、妻も子も捨て、
ただ息をしているかのような暮らし。欲もなく何の楽しみも持たずに
海辺のひっそりとした釧路の街はずれに暮らす完治。
ここが終点駅だと、思っている彼。

そんなある日、25年前に捨てた・・息子から電話がかかってくる。
「お父さん・・」

終点駅はそのまま彼の、終点なのか。そこが始発駅になる日は来るのだろうか・・




なんとも切ないような、静かな映画です。
原作は読んでいませんが、とてもよかったと思います。
釧路の街はずれの風景や、雪の中列車の止る駅、夕陽の橋の風景など等・・
情感がとてもありました。
佐藤浩一さんの哀愁を帯びた顔が忘れられません。





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