徒然草

つれづれにさまざま書いています。

母に会ってきました・・

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お盆の前の日ですが、実家のお墓参りと、母に逢いに出かけました。
お墓は共同墓地に管理人さんがいて、草などはきれいにしてくれています。
お花をあげて、お水でちょっとお掃除をして・・
きれいなお水をたくさんあげて、お線香をたくと、
60歳で亡くなった父の顔を思い出します。
お酒の好きな父でした、若い頃はとても貧乏でお酒も飲めなかったけれど、
私たちが大きくなるにつけ、お酒は欠かせませんでした。

一緒にいる弟の事も思い出します。
50歳で亡くなったたった一人の弟・・・
父に負けない大酒のみでした・・(笑・・・)
きっと、あちらの世界で下界を眺めながら一杯やっている事でしょう・・・


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母はグループホームにお世話になっています。
逢いに行くと、私の顔を見て、びっくりしたようにに言いました。
「あら!おねえさん、来てくれたの!?」・・って。

母は痴呆症です。弟が亡くなった頃に発症しました。
いろいろと気苦労がそうさせた・・・と医師は言いました。
私は父親似です。
父の姉や妹に似ています。
ですから、おねえさん・・と言うのは正確には「お義姉さん」という事でしょうか。

お部屋で持っていったジュースを出すと、
「まあ!美味しそう、頂いていいの?」って・・
半分くらい飲んで、「頂いたのはもったいなくてもう飲めない・・」って。

「元気そうね」
「元気よー病気した事ないもの」
「今、いくつになったの?」
「わたし??私、29歳なの!」

「いまは何をしているの?」
「いまはね~~~~機織りの機械を動かしてるの!たくさん動かしていてね、忙しいのよ~~ みんなに褒められるの」
「じゃあ、今日はお休みなの?」
「・・・そうねえ~~こうしてあなたと会っているんだからお休み!」

「あなたはどこから来たの?」
茨城県小美玉市から・・。あ!美野里町・・から来たよ」
「まあ!みのりまち!そうですかあ」
「〇〇さんは お家はどこなの?」
「私の家はね、長野県の飯田市なの~~ そこのね、鼎(かなえ)っていうところ。
このホームのすぐそこなの」

「私のお母さんも、私の兄弟もみんな鼎にいるの。私はお勤めしてるから、ここから工場に行ってる」
「だって・・・工場では私がいないと大変なんだもの…」

母は自分が結婚して、私と弟を設けた事も忘れています。
でも、お父さんの写真を見た時にだけ
「あれが私の夫の〇〇さんなのよ~~~もう死んじゃった・・」
って言います。
「じゃあ結婚していたのね~~~」
「結婚はしてないのよ、だって工場でたくさんの織機を動かして仕事をしてるしね」

認知症とは・・
自分の若い頃、生まれてから結婚の頃までの青春時代は覚えていますが、
その後の事は全く忘れます。
自分が年を取っている・・って事さえ忘れています。
先日も具合がちょっと悪かったようですが、「全然健康なのよ」
具合の悪かったことも、もちろん忘れます・・

ある意味・・・・「幸せ」かもしれません・・当の本人はね。




でも・・・私の事は忘れてしまって、「お義姉さん」と、何度も言いますから・・・
私は空しさが募る一方です・・・
本来なら、親孝行してあげたいというのが常でしょう。
お洋服を買ってあげて、「まあ!嬉しい!」と笑ってくれるのが嬉しんです。
「やっぱり娘じゃなきゃあ、こんないいものは買ってくれないねえ」
よくそう言われました・・
今もそんなふうに言って貰いたいのです・・・

でも・・認知症は進みに進み、最高ランク・・・
もう私の事は娘では無いのです。

父は60歳で他界、弟は50歳で父の元へ。
頼みの母は・・・結婚の生活を忘れてしまって・・・
泣けちゃいます・・・空しいです・・・ほんと悲しいです・・


でも、母は元気です。
足がちょっと弱くなったけど、薬も飲んでいないし、とてもやさしい顔をしています。
私は我慢するしかないですね。

「お義姉さん、また来てくださいね~~~」
「はい~~~また来るね!」


お母さん・・。.。:+*(>ω<。) ♥





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