かぞくいろーRAILWAYわたしたちの出発ー
25歳の奥園晶はある日突然夫を亡くした。夫は再婚でその夫には駿也という子供がいる。
途方に暮れた晶は駿也を連れて夫の故郷である鹿児島県の義父・節夫に会いに行く。
節夫は妻に先立たれ、1人暮らし、鉄道の運転士をしている。
突然の息子の嫁と孫が訪ねてきたことに戸惑ったが、帰るところも無い・・と言う晶の言葉に、
二人を鹿児島の家に住まわせることになる。
駿也は父譲りでとても列車が好き。父の部屋にあるたくさんの列車関連のものに囲まれて、
また、学校にも通い始める。
晶は、生活のために仕事を探していたが夫の好きだった列車の仕事につきたいと、思いつく。
同じように列車が好きな駿也も喜ばせたいと思う。
義父・節夫と同じ肥薩おれんじ鉄道の運転士試験を受けることを決心し、
駿也の父、修平の夢でもあった運転士目指して頑張ろうと思った。
駿也の、父と実の母の事、また、彼とは血の繋がっていない晶とのこと、
そんなことも駿也の心の隙間にのしかかったり、晶にとっては義理の息子との
家族としてのふれあいに隙間ができたり・・
夫の生まれ育った故郷での暮らしは嬉しいこと、楽しい事ばかりではない事に気付かされる・・
たった25歳で、夫を亡くす。夫は再婚で、小学生の息子がいた。
晶本人も家族には恵まれないで育った過去がある。
小学生の駿也は 生まれたと同時に実の母を亡くす。
だから、母の顔さえ分からない。しかも 今度は父までも亡くして、
でも、辛い、悲しい・・と晶には決して言わない。
駿也は晶をお母さんとは呼んでいない。
「晶」(あきら)と呼ぶ。でも、二人は案外仲良し。
転校先の学校の同級生には、駿也の心の中までは分からない。
父兄だって、年若い晶に皮肉を言ったりする。
でも、父親のふるさとで懸命に前を向く二人。
義父役の國村準さんが、とても素晴らしいです。
寡黙ながらも二人をやさしく見守ったり、ある時は、思う事を告げたり・・
と、とても純朴ながらもしっかりと生きている様を演じているように見えます。
義父として、また、おじいちゃんとして、戸惑いつつも二人に対しての力になる「ことば」に泣けます。
じっくりと見たい映画です。
※ 肥薩おれんじ鉄道の沿線の とても美しい風景もすてきな映画です。