徒然草

つれづれにさまざま書いています。

「君は、あのSLを見たか」・・

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 君は、あのSLを見たか


西村京太郎
講談社文庫
  2013年10月第1刷発行







橋本豊は 元警視庁捜査一課の十津川藩の刑事であった。
理由があり、今は私立探偵をしている。
その橋本の元に依頼が来た。
大富豪の藤井清太郎が行方不明だ、と言う。
更にその後、彼を誘拐したと言う誘拐犯から、奇妙な手紙が次々届く。
謎の言葉「空」「水」「アメリカ」「金」
「君は、あのSLを見たか」等と言う、奇妙な言葉・・
橋本は、元の上司である、十津川警部に相談をする。

試行錯誤の結果、十津川は 「SLばんえつ物語」号に当たりをつける。
会津若松と、新潟駅までを結ぶ 「C57蒸気機関車」である。
その車内で何かが起こる・・と 予測した彼らは、4月29日
部下たちとその機関車に乗り込んだ。

何事も起らないか・・と思っていた矢先、大変な事が起った。
10歳位の少女が背中を刺されて、意識が無い。
そして、犯人を探す十津川たちの前に あの行方不明の
藤井清太郎が、「わたしが殺した」と、名乗り出たのだ。
にわかに信じられない十津川。
更に、刺されてしまった少女の身元も分からず、親も現れない・・

その後、上条明と言う、カメラマンが、大井川鐡道のSL列車撮影中に殺害され、
残されていた写真の中から、数枚が抜け落ちていた・・


やがて・・
十年前、一番最初に運行された「SLばんえつ物語」号の車内での
不可解な事件?が浮かび上がる。
10歳の少女が、突然意識をなくす・・と言う事件だ。

そして、分かってきた事があった。
10年前、初代の「SLばんえつ物語」号の中で
したたかに酔っぱらっていた、藤井栄太郎が列車内で、よろけて転び、
その少女の上に 覆いかぶさってしまったのだ。
それによって、少女は10歳の命を落とすことになった・・

十津川や亀井は はたして真相にたどり着けるのか・・
親が名乗り出ない10歳くらいの少女は一体どこの誰なのか・・
謎は深まるばかりであった・・




おなじみ、十津川警部シリーズの一冊である。
病院での待ち時間があるので、急きょ買って読んでみました。
謎が謎を呼び、思わぬ事態になって行きます。
あっという間に読み終わってしまったほど、展開も早いです。

テレビドラマシリーズもおもしろいですが、やはり、本を読み進めていくと、想像もできていいですね。
今回は、憧れの「ばんえつ物語」号。
あの、勇壮な列車も、頭の中を駆け巡りました。



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