
北の街物語 内田康夫・著
2013年8月10日初版
浅見光彦は雑誌「旅と歴史」で赤羽界隈がなぜ人気なのか・・を確かめる記事を書く依頼を受けた。
光彦の住む「西ヶ原」は北区の東外れ、赤羽とは同じ区ながらほとんど知らない。彼は赤羽の蕎麦屋に入った。
そこで意外な人物と出会う。小石川高校の後輩である、末次瑞恵であった。
それがきっかけである奇妙な依頼が舞い込む。
北区在住の彫刻家の家から「妖精像」が消えた、それを探してほしいというもの。
彼が逡巡しているうちに、荒川河川敷で絞殺死体が見つかる。
一見、繋がりはないかに思えた2つの事件。
しかし、光彦は4ケタの数字、という、奇妙な共通点を見出す。
そして・・更にミステリアスな人間模様・・事件は意外な方向へと発展していく。
浅見光彦は消えた妖精像を追うと共に 殺人事件へと駆り立てられていく・・
永遠の33歳、職業は「旅と歴史」などに文を寄せるルポライターである。
しかし、光彦の行く所に事件あり・・つい触手が動く。
兄は17歳上の警察庁刑事局長。兄には妻と2人の子供がいて光彦を慕っている。
また、賢母の母がいて、彼女にはいつまでたっても頭が上がらない。
今回の事件の発端は、彼の住む北区内で起った。
地元、西ヶ原の滝野川署も登場する。
閑静な住宅地の広がるこの一帯に 光彦の自宅があり、また、光彦の母、雪江の大好物の「平塚亭」の団子屋なども実在する。
それらが頻繁に出て来る今回の「北の街物語」は 他の光彦シリーズとはちょっと違い、非常に親しみを感じます。

西ヶ原の一里塚・・
徳川時代に設置され、いまも当時のまま残っている。
浅見光彦・・もちろん架空の人物です。
しかし、彼の登場する小説は大変好評で、テレビドラマにも度々登場しています。
ここ、地元の北区西ヶ原あたりの、実在の地名が出てくるのも、親しみを感じます。
浅見光彦の住んでいる空気に触れたくて、行ってきました。
本当は・・彼に逢って見たかったような気もします・・(〃▽〃)


一里塚を超えて行くと、小説にたびたび出て来る、滝野川警察署が。
ああ・・こんな警察署なんだ・・と、妙に感心しました。(笑・・・)

その他、郵便局や、消防署も。

そしてこちらが、有名な「平塚亭」 お団子屋さんです。
小説の中や、ドラマの中では店先でお団子を食べるシーンがありますが、いまは食べる事が出来ません。
光彦はお店のおばさんに特別に、場所を貸して貰っているようです。
母の雪江に買って帰るお団子。
「まあ、気が利くこと」と、母。 実は頭の上がらない光彦・・
お団子は売切れてありませんでした・・・残念。

何といってもいまだに頭に残っているのが、彼の光彦・・
水谷豊さんの光彦が一番小説に合っているような気がしています。 雪江未亡人は 乙羽信子さんでしたよ。

滝野川公園・・緑いっぱいの公園のようでした。 時間が無くて寄りませんでした・・

平塚神社です。
源義家が奥州征伐から凱旋した時、この館に滞在し、そのお礼に、鎧と守り本尊の十一面観音像を譲ったといわれる、由緒ある神社です。
境内は大きなイチョウの木々や広葉樹で覆われていました。



小説によると、浅見光彦さんのお宅は、街道から入った所の静かな一角にあるようです。
賢兄愚弟・・と母、雪江もよく光彦を言いますが、しかし、母親思いの次男坊に愛情を注いでいるのも母なんですね。
光彦には妹がいました。 しかし友人と行った旅行先で思わぬ事故にあい、亡くなっています。
光彦はそれも心の奥に悲しみとして残っています・・
光彦さんには逢えませんでしたが、彼の住む近辺を歩き、とても有意義な日でした。
次に「旧古河庭園」などを散策しました・・・続く。
