徒然草

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「十津川警部・修善寺わが愛と死」

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十津川警部修善寺わが愛と死」・・西村京太郎・著

「老舗デパートの元秘書が殺された。
彼女が残した小説に秘められたメッセージ・・とは??」

十文字多恵子32歳が 自宅マンションで殺された。
老舗の六国デパートの元副社長秘書だった彼女。
しかし、分不相応な豪華マンションに住むその暮らしぶりに 十津川警部は疑問を抱く。

修善寺わが愛と死」という小説を残していた彼女、
その内容は 六国デパートの内紛を 「源頼朝と政子」に置き換えた時代小説だった。
調べていくうちに 六国デパートの初代社長が亡くなってから、
その長男・次男と相次いで不振な死をむかえていた。
あたかも頼朝と政子の生きざま・・
頼朝が亡くなってからの政子の世とうり二つであった・・・


おなじみ、西村京太郎氏の十津川警部シリーズ。
老舗デパートが「名前を変えた」事に不審を抱いた警部が事件の捜査に乗り出していく。
デパートの裏にうごめくものは、果たして何なのか。
また、多恵子がのこした小説は、どのような意味を持っているのか。

冴える警部の感、しかし、ある時は悩み、壁にぶつかりながらも 
信頼する部下達と一丸となって事件を追う十津川警部の姿勢は 今回もすばらしい。

北条政子は頼朝の死後 息子達を次々と殺していった・・・
なぜ?なぜ、自分の子を??
それは・・・血が繋がっていなかったから??」
十津川警部の活躍もさることながら 本編に収められている時代小説もまた、すばらしい。
読み応えのある一冊でした。