徒然草

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「壷 霊」(これい)・・内田康夫 著

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壷 霊(これい)     内田康夫 著


浅見さん、京の女は恐ろしおすえ・・・

「20年前、京の町を脅かした「事件」と、寂光院の放火事件
そして・・いま、忽然と消えた老舗骨董店の若婦人と
高麗青磁の壷。その壷には(紫式部)と銘があった。」

いつものように出版社の藤田編集長から突然「京のレポ」を依頼され、強引に話が進んでしまった。
そして浅見光彦は事件に呼び寄せられるように古都、京の街へ・・
老舗骨董店を訪れた浅見の前に 美しい女性が現れ、
「依頼をお願いしたのは、私です!」と、少し、高圧的・・
ゆっくりと、じっくりと、話を聞いていくうちに その女性「千寿(ちず)」の母、「佳奈」の行方と
一緒に消えた「高麗青磁の壷、紫式部」の行方を捜してほしい・・・との事。
「高麗青磁の壷、紫式部」はとても高価なもので 佳奈が嫁入りの時に実家から持ってきたもの。
その壷と、母が一緒にいなくなるなんておかしい・・と千寿は言う。

浅見が見つけた唯一の手がかりは、縁きり神社・安井金比羅宮の形代(かたしろ)、
その形代には佳奈と夫の離縁を祈願する文字が書かれていた・・・

人探しの浅見の前で、事件が起きる。殺人事件だ。
一見繋がっていないように見えた佳奈と壷の失踪事件と、殺人・・
微妙に重なり合い、浅見はその渦中に身を投じていく・・・


京都の古いしきたりと、女の執念・確執・・ちょっとぞ・・・っとする場面も。
上・下巻の本は 2日間で読みきりました。それほど面白かったです。
いつものように 我が浅見光彦さんは爽やかでナイーブで優しく、好青年でした。

現在彼は33歳、独身。
お兄様は警察庁の刑事局長、国会などで答弁することもある実力派、
浅見家を守る大黒柱で、光彦は彼に頭が上がりませんが、尊敬しています。

最も恐いのが母親の雪江未亡人。
「33歳にもなって結婚もできないなんて・・嘆かわしい・・」と、言われ続けていますが、
母は一目も二目も光彦においています。
この家庭にあってこそ、光彦の推理も冴え渡るのであろう・・・と思わせるようなすてきな家庭です。

浅見シリーズ150冊目の「壷霊」、今回も浅見の推理が冴えわたります。
33歳の彼、150冊目でありながら歳は取っていません。
永遠の青年ですね~~~

頭の中で「浅見光彦像」を考える私がいます。つい、テレビドラマの面々が浮かびます。
でも、私的にはもう何年も前に 水谷 豊さんが演じた光彦像が一番印象に残っています。
本を手に取るとき、水谷・浅見を思い描いてしまいます。

何はともあれ 私の大好きな内田康夫氏の「浅見光彦シリーズ」
永遠の青年・光彦さんの活躍を今後も楽しみにしています。
彼・・・結婚しないのかしら・・・(笑)

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