筑波四面薬師・十三塚の北面薬師跡 石岡市八郷地区
※「筑波四面薬師」・・とは。
奈良時代の末期、法相宗を学んだ「徳一法師」は20歳の時、京都から東国にやって来ました。延暦元年(782)筑波山に「中禅寺」を創建。このお寺が筑波山神社の下にある 今の「大御堂」です。
万民安楽を願い、この中禅寺の守護のために、筑波山の四面に「薬師如来」を安置しました。
歴史は「廃仏毀釈」などで、その薬師堂が失われたところなどもありますが、いまも残されている薬師堂があります。
四面薬師の北面に、そのひとつ山寺があったとされています。
ちょっと分かりづらいですが、長男の案内で山道をしばらく進みました。
この十三塚の山寺は廃寺になっています。
ですから、お寺の影もありません。
その昔は、かの徳一法師が薬師さまをお祀りした、四面薬師のひとつだったのでしょう。
看板がありました。
「筑波北面薬師堂聖址」とあり、徳一法師がここに薬師如来像を安置した・・・と、書かれています。1200年前には聖地として多くの方がお参りに来たとされます。ちょっと読みずらいですね・・
竹林・・松の木、山桜の古木など。
古い石塔なども・・
風に揺れる竹林の音がしていました・・
今は何もない跡地。その昔に思いを馳せました・・
※ ちなみに・・
ここに置かれた「薬師如来像」は、この山のふもと、小幡地区にある「薬王院」に安置されているそうです。
また、薬師堂は 石岡市内の国分寺に移築されているとされています。
参道に、山桜の古木も、いつの時代かに植えられていました。
細い参道・・今は跡地になっていて、風が吹き抜けるだけのようです。
ちょっと・・・もの寂しい気がします。
十三塚の北面薬師に向かう途中の風景・・
奥に見えるのが、筑波山です。
十三塚の北面薬師にあった、薬師如来がお祀りされている小幡地区の薬王院です。
残念ながら、薬師さまは拝見する事が出来ませんでした。
しかし、あのもの寂しい山の中からこちらに移されてきて、きっと仏も良かったと思います。
静かな境内です・・
さて・・
薬師如来像は小幡地区の薬王院に安置されていますが、山の中にあったお堂は??・・というと。
府中(石岡)の街にあった国分寺が1908年の火事で焼けてしまいました。それで1910年薬師堂をこちらに移築したといわれています。あの十三塚の山寺からこちらに移した・・という事でしょう。
とても立派なお堂です。
春、枝垂れ桜がとても美しく咲きます。訪れる方も多い場所です。
薬師堂と薬師如来像・・今は一緒ではありませんが、とても大切にされていて、ほっとしますね。
現在の国分寺本堂・・
旧千手院山門・・市指定文化財
※ 十三塚の北面薬師跡・小幡の薬王院・石岡市内の常陸国分寺跡・・と、載せてみましたが、筑波四面薬師を訪ねるなら、この三か所を見るのが、お勧めですね。
私も薬師様がどうなったか、お堂はどうしたか・・が分かって勉強になりました。
では次回は、
薬師古道と、菖蒲沢薬師を訪ねます。 続く。
撮影日・・2022年05月03日