我が家は、息子二人なので、雛人形はありませんでした。
大きなこいのぼりが実家から届き、近所の親戚もそれに合わせてこいのぼりでした。
それはそれは立派でしたが・・毎朝、毎晩、上げ下げが大変でした。
そんな思い出がありますが、
私自身も、実家は長野県からの開拓移民団のひと家族でしたので、貧乏で、お雛様など無かったのです。
唯一、父も母も、それではあまりにもかわいそう・・と、お金を工面して、「雛掛け軸」を買ったそうです。その掛け軸のお雛さまと共に、私は大きくなったわけで。
嫁に来て、お雛さまを買える・・と思っていましたら、男の子二人で叶わず。(笑)
舅、姑のいる昔気質の家に嫁に来ましたから、今更、「自分の雛」など、買えるわけもなく。(笑)
雛掛け軸です。
私が嫁に来てしばらくたったころ、実家に遊びに行ったときに、母が箪笥から大切そうに持ってきたのが、当時の掛け軸でした。
私は、もうとっくに掛け軸の雛さまなんて、捨てたか焼いたか、したものと思っていましたが、母は、破けたところを繕ってまで、大切に持っていました。
「おまえの雛人形だからね」と。
まあ・・母親とはこんなふうなんですね。
物のない時代に育ってきて、それが普通だと思っていましたから、大きなお雛様など、欲しいとも思いませんでしたが、お金持ちのお嬢さんちには、大きなひな壇があって、びっくりしたことも、思い出します。
大切にしまっておいた雛掛け軸。
これが私の雛さまなんです~~(#^.^#)
それを義父も義母も亡くなってから、掛けて眺めています・・
ある時、夫が、「雛人形、欲しければ自分で買ったら?」って言ったんですよ。
いやはや、びっくりしましたね!(笑)
で・・オークションで手に入れたのが、これらのお人形さんです。
安い・・・(笑)
始めて実物の雛人形を手に入れた時は、本当に嬉しかったです。
まだ、5年ほど。
毎年仏壇の前に飾ります。
孫っちのお家とは別なので、堂々と、飾っています。(笑)
雛掛け軸と、母の形見の、袋帯と。
やさしげな掛け軸のお雛さまと、今風の雛たちと、豆雛と・・
なんとまあ、贅沢でしょうか。
さまざまな思い出がよみがえります。
幼い時の、物は無くて貧乏でも、豊かだったあの頃。幸せだったな・・・と、いま、しみじみ、思いますね。
雛人形、4月いっぱい、飾っています。(笑)